寝台特急「月光」とは?

寝台特急「月光」とは?

寝台特急「月光」は、昭和42(1967)年10月1日ダイヤ改正で世界初の寝台電車581系の完成と同時に運転をはじめた列車です。


「月光」という列車名称は、昭和28(1953)年11月〜昭和40(1965)10月まで東海道本線東京〜大阪間の夜行急行列車で用いられていました。


東海道本線の夜行急行として最後まで残った「銀河」をはじめ、「あかつき」・「明星」・「彗星」なども、ほぼ同時期から用いられていました。


ですから、「月光」の名は夜行列車の名称としては上記列車名とともに親しまれていました。


寝台特急「月光」に用いられる581系および583系の各寝台電車は、折り返し時間が短くできる、高い加速力を持つなど電車ならではの長所に、「同じ車両を夜間は寝台車として昼間は座席車として使える」機能をくわえた車両です。


寝台特急「月光」のダイヤは、新大阪〜博多間の寝台急行「海星」(1207レ・1208レ)を格上げの上、電車化・スピードアップしたものでした。


下り7Mが新大阪23:30発→博多9:20着、上り8Mが博多19:45発→新大阪5:45着でした。


車両は、昼間は電車特急「みどり」に使われ、夜行の寝台特急、昼行電車特急としての使い勝手が試されました。


電車特急「みどり」は、日豊本線新田原〜幸崎間の電化完成にともなうキハ80系特急「みどり」の大分編成の電車化です。


電車特急「みどり」のダイヤは、下り1Mが新大阪9:30発→大分19:35着、上り2Mが大分9:30発→新大阪19:47着でした。


581系は南福岡電車区(現在のJR九州 南福岡車両区)に所属、車両運用は博多〜8M〜新大阪〜1M〜大分〜2M〜新大阪〜7M〜博多の順で南福岡電車区には8Mで出発した4日後に帰っていました。


581系・583系の最大の特徴である寝台⇔座席の転換作業は、向日町運転所(現在のJR西日本 吹田総合車両所京都支所)で行われました。


2M〜7Mの間に座席から寝台へ、8M〜1Mの間に寝台から座席への転換作業をしていました。


大分側は、大分運転所(現在のJR九州 大分車両センター)で1泊する運用でした。


「月光」は、車両運用の関係からダイヤ改正前日の昭和42(1967)年9月30日博多発の8Mから運転開始。


ここに現在までつづく寝台電車の歴史がはじまったのです。

581系・583系の車体色は、横須賀線車両に使われているクリーム1号(485系特急形電車はクリーム4号)と20系寝台客車に使われている青15号を組み合わせました。


塗り分けは、こだま形と同じです。


これは、0系新幹線電車や20系客車の塗装を念頭にしたもののようです。


0系新幹線電車を念頭に置いたのは、581系・583系を使用する列車が新幹線と接続する列車であるためです。


新幹線との接続は、新大阪で行われました。


寝台特急「月光」は、下り7Mが、ひかり47号(東京20:00発→新大阪23:10着)から、上り8Mは、ひかり2号(新大阪6:00発→東京9:10着)に接続していました。


ちなみに、東京〜博多間を直通する「あさかぜ」は、下り9レが東京19:10発→博多12:00着、上り10レが博多16:40発→東京9:30着でした。


「月光」は、新大阪での乗換えがあるものの、「あさかぜ」往復での滞在時間をくらべると東京で1時間10分、博多では5時間45分も拡大しています。


昭和42(1967)年10月1日ダイヤ改正にあわせ南福岡電車区に配置された581系は44両でした。


「月光」登場時の車種はモハネ581・モハネ580・クハネ581・サハネ581の各B寝台車(昼間は普通車)とサシ581(食堂車)の5つでした。


この5車種により6M6Tの12両編成が3本組成されました。


寝台特急「月光」は、B寝台車(昼間は普通車)と食堂車だけで運転をはじめたわけです。


モハネ581・モハネ580は、481系特急形電車をベースとしたため直流1500Vと交流2万ボルト/60Hz対応です。


581系は、昭和43(1968)年3月に、モハネ581-12・モハネ580-12などの予備車が6両増備されて総数が50両となりました。


581系としての増備は、ここで終了し以後は583系の増備のみが行われます。


寝台特急「月光」は、東北本線全線電化完成にともなう昭和43(1968)年10月1日ダイヤ改正(「よんさんとう」)で列車番号が6009M・6010Mの季節列車を1往復増発、定期列車の13M・14Mとあわせて多客時は2往復が運転されるようになりました。

この改正では、特急「みどり」が485系特急形電車となったため、「月光」は新大阪〜博多間の昼行特急「はと」とあらたにペアを組みました。


そして、この改正に合わせて登場したのが、485系特急形電車をベースに東日本の交流2万ボルト/50HZ区間も走行できるよう50/60HZ共用型となったモハネ583・モハネ582の583系中間電動車ユニットと1等座席車(現在のグリーン車)のサロ581です。


モハネ583・モハネ582・サロ581などを含む84両は青森運転所(現在のJR東日本 青森車両センター)に配置されます。


8M5Tの13両編成×6本で、昼間は「はつかり」、夜間は寝台特急「はくつる」寝台特急「ゆうづる」として活躍をはじめました。

九州〜東北の広範囲で寝台電車が運転されるようになりました。


ちなみに、大阪〜新潟間の「きたぐに」に連結されていたA寝台サロネ581は後年の改造車です。


昭和43(1968)年10月1日ダイヤ改正では、南福岡電車区にも91両が増備され141両体制となっています。


南福岡電車区の増備車も青森運転所にあわせてモハネ583・モハネ582となり、強い要請があった1等座席車もサロ581が配置され、「月光」にもこれらの車両が組み込まれました。


MT比および編成両数は、6M6Tの12両編成で変更ありません。


昭和47(1972)年3月15日山陽新幹線岡山開業にともなうダイヤ改正が行われました。


寝台特急「月光」は、定期列車と季節列車の各1往復とも岡山発着になります。


運転区間は、定期列車の33M・34Mが岡山〜西鹿児島間、季節列車の6035M・6036Mが岡山〜博多間でした。


ちなみに、岡山〜西鹿児島間の下り33Mのダイヤは、改正前まで寝台特急「きりしま」の下り列車が使っていたダイヤです。


「月光」とペアを組む列車も変更されました。


昭和43年10月ダイヤ改正から約3年半ペアを組んでいた「はと」がこの改正から485系となったため、あらたに昼行特急「つばめ」(岡山〜博多・熊本間)をペアとしました。


その後、寝台特急「月光」は季節列車の1往復が定期化され定期列車2往復となりました。


昭和48(1973)年10月1日ダイヤ改正で「月光」は、岡山〜博多間の季節列車の6035M・6036Mが、1029M・1030M「月光」2・1号として定期列車に格上げされました。

「月光」2・1号の運転距離は442.2km、走行時間も下り1029Mが6時間53分(岡山23:43発→博多6:36着)、上り1030Mが6時間52分(博多23:45発→岡山6:37着)でした。


後に、短距離ブルトレとして知られる寝台特急「北陸」の運転距離は、517.4km(宮内〜長岡間の往復計6kmと尾久駅経由による差分0.2kmを含みます)、運転時間は、下りが7時間23分、上りが8時間1分でした。


「月光」2・1号は、寝台特急「北陸」よりも距離で約75km、運転時間で30分〜1時間ほど短かったのです。


1029M・1030M「月光」2・1号は、定期寝台特急列車の歴史において走行距離、時間とも一番短いものではないでしょうか。


昭和49(1974)年4月25日日豊本線南宮崎までの電化完成にともなうダイヤ改正が行われ、B寝台を2段式とした24系25形が登場し、「あかつき」・「彗星」として運用をはじめました。


B寝台が3段式の583系には、「☆☆」のマークが車体の出入り台付近に貼られていき2段式の24系25形と区別されました。


昭和50(1975)年3月10日山陽新幹線博多開業にともなうダイヤ改正が行われました。


581系・583系のシンボル的な列車でもあった寝台特急「月光」は廃止されました。


ダイヤの一部は運転区間を延長して新大阪〜西鹿児島間の寝台特急「明星」に引き継がれました。


581系・583系寝台電車は、最初に寝台特急「月光」に使われたことにちなみ「月光形電車」ともいわれます。



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