寝台特急「はやぶさ」とは?

寝台特急「はやぶさ」とは?

寝台特急「はやぶさは東京〜熊本間を18時間かけて結んだ夜行列車でした。


「はやぶさ」の愛称の由来は鳥のハヤブサ(隼)です。


寝台特急「はやぶさ」が運転されはじめた時には特急の名称として鳥の名が付けられただけではなく、東京〜大阪間のビジネス特急の愛称を公募した時に佳作に選ばれ、特急列車に使うことが決められていた愛称でもありました。


「はやぶさ」は、昭和33(1958)年10月1日ダイヤ改正で夜行急行列車「さつま」の格上げにより誕生しました。


運行区間は「さつま」と同じ東京〜鹿児島(鹿児島本線経由)でした。


「はやぶさ」の運転開始によりそれまで運行がなかった鹿児島本線鳥栖以南にも特急列車が運行されるようになりました。


なお、運転開始当初は、座席車ナハ11形、寝台車ナハネ11形、食堂車オシ17形など10系客車を中心とした車両を使用していました。


10系客車を中心とした車両は、昭和33(1958)年10月1日ダイヤ改正まで寝台特急「あさかぜ」に使われていたものでした。


昭和33(1958)年10月1日ダイヤ改正で寝台特急「あさかぜ」が20系客車に置き換えられたため、ここで余剰となった編成を「はやぶさ」に使ったのです。


昭和35(1960)年7月20日から電源・荷物車をふくむ20系客車14両編成の寝台特急となり、運行区間も東京〜西鹿児島間とされました。


寝台特急「はやぶさ」は、「あさかぜ」、「さくら」に続く3番目の20系客車使用列車となりました。


昭和43(1968)年10月、「はやぶさ」の付属編成が長崎に延長されました。


それまでの急行「雲仙」を格上げしたもので、ダイヤは「雲仙」と同じでした。


昭和50(1975)年3月10日ダイヤ改正で寝台特急「はやぶさ」の使用客車を20系客車から24系24形客車としました。


「はやぶさ」の24系24形客車は、寝台特急「富士」・「出雲」と共通運用とされました。


ダイヤ改正と同時に、「はやぶさ」付属編成による長崎への乗り入れが14系寝台客車を使っていた寝台特急「みずほ」の付属編成となり、「はやぶさ」の付属編成は東京〜熊本間の運転となりました。

長崎から「はやぶさ」の列車名が消えたのです。


ちなみに昭和50(1975)年3月10日ダイヤ改正で山陽新幹線が博多まで全線開業し東京〜博多間が6時間50分で結ばれました。


昭和51(1976)年10月1日ダイヤ改正で「はやぶさ」の使用車両が24系24形客車から24系25形客車となりました。


「はやぶさ」は、共通運用であった「富士」・「出雲」とともに東京発着の定期寝台特急として最初に2段式B寝台車が投入されました。


24系25形客車になったのと同時に新形の1人用のA個室寝台「オロネ25形」の連結もはじまりました。


1人用のA寝台個室は、テンキーロック式で窓際のテーブルは格納式の洗面台で電気カミソリ用のコンセントも備えていました。


オリジナルタオルが配布されていたようです。


1人用のA寝台個室は無愛称でしたが、昭和61(1986)3月3日に「シングルデラックス」と名付けられました。


1人用のA個室寝台「シングルデラックス」は後年、改装され壁を木目調とするなど室内が明るいムードとなりました。


昭和53(1978)年2月1日、寝台特急「あさかぜ」1・4号が20系客車から24系25形されました。


「あさかぜ」1・4号に使う食堂車を捻出するため、「はやぶさ」基本編成にあった食堂車が熊本止まりの付属編成に移されました。


「日本で最長距離を走る旅客列車」は寝台特急「富士」でしたが、昭和55(1980)年10月1日ダイヤ改正で宮崎〜西鹿児島間が廃止され、運転区間が東京〜宮崎間に短縮されました。


これにより、寝台特急「はやぶさ」が昭和40(1965)年10月以来15年間ぶりに日本で最長距離を走る旅客列車となりました。


昭和59(1984)年2月1日から長らく廃止されていた九州内のヘッドマーク取り付けが復活しました。


昭和60(1985)年3月14日から「はやぶさ」の東京〜下関間の牽引機がEF65形1000番台(EF65PF)直流電気機関車からEF66形直流電気機関車となりました。


理由は、「はやぶさ」へ「ロビーカー」が連結されたことでEF65形1000番台ではダイヤを維持できなくなりました。

いっぽうで、高速貨物列車の削減などでEF66形が余剰となっていたためです。


昭和61(1986)年11月1日ダイヤ改正から客車が「富士」と共通編成となりました。


これを機に「富士」の客車の受持ちが品川運転所から変更され、基本編成が鹿児島運転所、付属編成が熊本運転所(現在のJR九州熊本鉄道事業部熊本車両センター)となりました。


昭和62(1987)年に国鉄が分割民営化されJRとなります。


寝台特急「はやぶさ」は牽引機のEF66形がJR西日本、客車がJR九州の受け持ちとなりました。


平成元(1989)年3月11日、「はやぶさ」に1人用のB個室寝台「ソロ」(オハネ25形1000番台)が連結されました。


1人用のB個室寝台「ソロ」の鍵はシリンダー式でした。


室内にはコンセントがありましたが容量が小さいため使うとブレイカーが落ちることもあったようです。


このほかの設備として、枕元にはコントロールパネルと読書灯が付いていました。


2階の寝台は立ち上がれるほど空間がなかったため、やや窮屈に感じでした。


しかし、窓からの眺めが良好で夜間は夜空を見ることができました。


個室1階は、景色は普通でしたが立ち上がれる空間があったため、ゆったりした感じでした。


1人用のB個室寝台「ソロ」は開放型B寝台と同じ料金で乗車できたため人気でした。


平成元(1989)年12月2日、同年7月21日から団体専用列車として運転されていた「トワイライトエクスプレス」が臨時列車となりました。


これにより「臨時を含めての日本一の長距離列車」の座は「トワイライトエクスプレス」に譲ったものの、「定期列車では日本一の長距離列車」でした。


平成2(1990)年3月11日、特急「有明」が博多〜八代間で130km/h運転をはじめました。

24系25形客車は最高速度が110km/hであり、機関車の加速力も電車に劣るため寝台特急「はやぶさ」はダイヤ設定が難しくなってしましました。


仕方なく途中の水俣で特急「有明」11号に追い越されるダイヤとなりました。


平成5(1993)年3月18日、「はやぶさ」の西鹿児島到着時間が15時10分と当時の定期寝台特急列車では最も遅い到着時間となりました。


これは、下り列車の東京〜小倉でダイヤを「富士」と入れ替えた結果、「はやぶさ」のダイヤが1時間15分繰り下がったためです。


当時、西鹿児島まで運転されていた在来線電車特急「つばめ」に途中で追い抜かれるため、「つばめ」に乗り換える乗客が増えてるいっぽうで「はやぶさ」は熊本〜西鹿児島間の利用者が減っていきました。


平成9(1997)年11月29日には、とうとう熊本〜西鹿児島間が利用者減少により同区間が廃止され、運転区間が東京〜熊本に短縮されてしまいました。


昭和55(1980)年10月1日ダイヤ改正で寝台特急「富士」が東京〜宮崎間に短縮されて以来守ってきた「定期列車では日本一の長距離列車」の座を寝台特急「さくら」に譲りました。


寝台特急「はやぶさ」は、運転開始当初から食堂車を連結・営業していましたが利用者の大きく減少した平成5(1993)年3月18日からは食堂車の連結は継続されたものの、営業は中止となり売店営業に縮小されてしまいました。


そして、平成9(1997)年11月29日ダイヤ改正からは、売店として営業していたオシ24形が編成から外されるとともに日本食堂による東京〜熊本間通しでの車内販売営業も終わりました。


平成9(1997)年11月29日ダイヤ改正からは、車内販売に切り替えられ、下り列車は東京〜名古屋間と徳山〜博多駅間で、上り列車は名古屋〜東京間で弁当、サンドイッチ、菓子、コーヒーやジュースなどの販売が実施されました。


平成17(2005)年3月1日ダイヤ改正で寝台特急「富士」と併結されるようになると、上り「はやぶさ」は門司で機関車交換と「富士」を連結するため29分間停車するようになったため、改札の外にあるコンビニエンスストアで買い物ができました。


さて、平成9(1997)年11月29日ダイヤ改正から東京〜熊本間での運転となった寝台特急「はやぶさ」ですが利用者減少の流れは続き、平成11(1999)年12月4日には「はやぶさ」は東京〜鳥栖間で寝台特急「さくら」との併結運転とされました。


併結運転となった東京〜鳥栖間では、「はやぶさ」用の24系25形客車9両と「さくら」用の14系寝台客車6両からなる15両編成となっていました。


24系寝台客車と14系寝台客車とが1つの編成となったのです。


編成として14系寝台客車と24系寝台客車が併結運転されるのは両系列にとって史上初でした。


照明などのサービス用電源は24系はカニ24形から、14系はスハネフ14または、スハネフ15形から供給されていました。

なお、14系寝台客車には異常時などの用意として24系との併結運転対応工事が行われました。


このときの寝台特急「はやぶさ」編成には共通運用の「富士」とともに1人用のA個室寝台車「シングルデラックス」と「ロビーカー」が引き続き連結されたものの、1人用のB個室寝台「ソロ」は外されました。


1人用のB個室寝台「ソロ」は14系に改造された上で「さくら」編成に連結されました。


ヘッドマークは、「はやぶさ」・「さくら」を併記したものが併結運転が開始されたときから掲げられましたが、九州内では取り付けられない時もあったようでした。


平成14(2002)年3月23日には、「はやぶさ」の開放式B寝台車が2両減車され7両編成となりました。


併結相手の「さくら」も開放式B寝台車が1両減車され5両編成となっています。


平成17(2005)年3月1日ダイヤ改正で寝台特急「はやぶさ」に併結していた「さくら」が廃止されます。


同時に「はやぶさ」は東京〜門司間で寝台特急「富士」(東京〜大分)と併結され使用車両は全車14系寝台客車とされました。


全車14系寝台客車となったことで荷物車と「ロビーカー」がなくなりました。


とくに「ロビーカー」は昭和60(1985)年3月14日ダイヤ改正以来、「はやぶさ」に連結されてきたのもであり、牽引機がEF66形に置き換えられた理由も「ロビーカー」が連結されるようになったためです。


個人的には「はやぶさ」は「富士」とともに「ロビーカー」というイメージが強かったため、列車そのものは存続したものの「ロビーカー」が消えてしまった「はやぶさ」はそれまでとはまったく別の列車という印象になってしまいました。


平成17(2005)年3月1日ダイヤ改正では「さくら」が廃止されたため、運転距離が東京〜熊本間1,315kmとなる「はやぶさ」が6年4ヶ月ぶり2度目となる「定期列車では日本一の長距離列車」の座に復帰しました。


14系寝台車となった寝台特急「はやぶさ」は、1人用のA個室寝台「シングルデラックス」1両、1人用のB個室寝台「ソロ」1両、開放型B寝台4両の6両編成となっていました。


平成20(2008)年3月14日、京阪神〜九州間で運転されていた「なは」「あかつき」が廃止されたため、翌3月15日以降から「はやぶさ」は併結相手の「富士」とともに関東・東海・京阪神〜九州間に残った最後の定期夜行優等列車となります。


往時とはまったく異なる姿でありながらも東京〜九州間の定期旅客列車として最後まで残った寝台特急「はやぶさ」でしたが、平成21(2009)年3月13日ダイヤ改正で併結相手の寝台特急「富士」とともに廃止されてしまいました。


新幹線や航空機といった交通機関が発達したことによる乗客の減少、車両の老朽化などが原因です。

なお、「はやぶさ」と「富士」が同時に廃止されたため、関門トンネルを通って運行する定期旅客優等列車そのものが消えただけでなく、東京発着の客車寝台特急と九州発着の寝台特急がすべて廃止されていましました。


国鉄時代の昭和33(1958)年10月1日ダイヤ改正から50年以上の間、途切れることなく使われ続けた「はやぶさ」の名は消えました。


「はやぶさ」の愛称はいったんは廃止されましたが、その後、E5系新幹線電車による東北新幹線の最速達種別の列車愛称として平成23(2011)年3月5日から復活しています。



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