寝台特急「つるぎ」とは?

寝台特急「つるぎ」とは?

寝台特急「つるぎ」(写真1)とは、大阪〜新潟間の寝台特急列車の愛称でした。

写真1
寝台特急「つるぎ」

「つるぎ」の列車名は、富山県の上市町と立山町にまたがる標高2,999mの剱岳(つるぎだけ)から名付けられました。


運転経路は、東海道本線〜湖西線〜北陸本線〜信越本線で運転距離は581.1km。


東京〜神戸間より少し短い距離です。


ちなみに、平成22(2010)年3月13日に廃止された寝台特急「北陸」(上野〜金沢)の運転距離は、517.4kmでした。


「つるぎ」は、運転距離では「北陸」に次ぐ短さでしたが、大阪と新潟の都市間輸送列車ともいえました。


「つるぎ」が寝台特急としての運転をはじめたのが昭和47(1972)年10月2日でした。


「つるぎ」という名称がはじめて使われたのは、「サンロクトウ」とも呼ばれる昭和36(1961)年10月1日ダイヤ改正です。


このダイヤ改正では、地方都市同士を結ぶ特急がデビュー。


北海道の「おおぞら」(函館〜旭川)など、それまで東京発着のみであった特急列車が全国各地に広まりました。


その一つとして、大阪〜青森間に特急「白鳥」がキハ80系により生まれました。


特急「白鳥」の登場に伴い、急行「日本海」の運転時刻が変わり、大阪から新潟方面への使いやすさは改善されました。


いっぽうで、金沢、富山方面へは使いにくくなってしまいました。


大阪〜富山間には夜行普通列車が運転されていましたので、この列車の種別を準急にあらためた上で「つるぎ」と名付けました。


金沢、富山方面へは使いにくくなった「日本海」を補う列車として「つるぎ」はデビューしました。

なお、準急「つるぎ」は、大阪〜高岡間は準急、高岡〜富山間は普通列車とされました。


昭和38(1963)年4月20日ダイヤ改正で「つるぎ」の列車種別が急行に格上げされると同時に寝台列車化されました。


急行「つるぎ」の運転区間は、大阪〜富山間で金沢〜富山間は普通列車でした。


昭和40(1965)年10月1日にダイヤ改正が行われ大阪〜富山間の夜行急行列車は2往復化されました。


客車と電車1往復ずつとされ、このうち寝台列車には、東海道本線の夜行列車の削減で名称が使用されていなかった「金星」を名乗りました。


「つるぎ」は、大阪〜富山間の夜行列車「加賀」を電車化した列車名となりました。


東北本線全線電化を受けて昭和43(1968)年10月1日ダイヤ改正(ヨンサントウ改正)が行われました。


この改正で、夜行電車急行「つるぎ」は列車名を「立山」(たてやま)と変更しました。


「つるぎ」の名称は、それまで「金星」を名乗っていた大阪〜富山間の寝台急行列車の名称とされました。


「つるぎ」は、再度客車列車化されたのです。


なお、「金星」の名称は、この改正で誕生した名古屋〜博多間の寝台特急に使われ、寝台特急「金星」として昭和57(1982)年11月15日ダイヤ改正で廃止されるまで使われました。

「つるぎ」寝台特急へ

昭和47(1972)年は「つるぎ」にとって転機の年でした。


「つるぎ」は、誕生以来、めまぐるしく変化しつつも運転区間は一貫して大阪〜富山間でした。


それが山陽新幹線が岡山開業を果たした同年3月15日ダイヤ改正で新潟まで延長され、大阪〜新潟間の列車となりました。


そして、同年10月2日、急行「つるぎ」は特急列車化されました。


寝台特急「つるぎ」の使用車両は、20系客車13両編成。


内訳は、電源車1両、A寝台(ナロネ21)1両、B寝台10両、食堂車(ナシ20形)1両でした。


短い距離なのに食堂車が連結されている理由は、東海道・山陽本線で14系寝台客車への置換えられ余剰となった20系客車を青森運転所(現在のJR東日本青森車両センター)に転属させた上で寝台特急「日本海」と共通編成で運行されたためです。


ちなみに、食堂車は当初から営業を休止しています。


運転開始時の時刻は、下り4005レが大阪23:00発→新潟8:24着、上り4006レが新潟20:45発→大阪5:56着でした。


寝台特急「つるぎ」運転開始当時、北陸本線は全線電化前であったため、EF58〜DE10(またはDD50)〜EF70〜EF81とリレーする形で機関車交換が3回行われました。


ディーゼル機のDE10(またはDD50)は米原〜田村間を牽引していました。


機関車交換が多いものの、運転時間は急行時代にくらべ、およそ1時間30分ほど短縮されました。


特急格上げによるプラス効果はあったといえるでしょう。

寝台特急「つるぎ」が24系25形に

寝台特急「つるぎ」は、昭和50(1975)年3月10日ダイヤ改正で運転経路が米原経由から湖西線経由となった効果で運転距離が19.5km短くなった分、所要時間も短くなりました。


このダイヤ改正では、使用客車は20系のまま、受け持ちが青森運転所から宮原客車区(現在のJR西日本網干総合車両所宮原支所)に移され、営業休止状態でありながら連結されていた食堂車はB寝台車(ナハネ20形またはナハネフ23形)に置換えられています。


機関車もそれまで機関車交換を3回行っていたのが、全区間を通してEF81形の牽引となりました。


そして、運転時刻も大きく変わり、下りの大阪発が繰り上げられ、上りの新潟発が繰り下げられました。


下り4005レが大阪21:55発→新潟6:48着、上り4006レが新潟22:25発→大阪7:22着となっています。


昭和51(1976)年2月20日から使用車両が24系25形となりました。


編成は、電源車1両を含む12両です。


24系25形への変更をきっかけに「つるぎ」からA寝台の連結がなくなりB寝台だけとなったものの、B寝台は20系の3段寝台から2段寝台となったことで居住性は大きく改善されました。


時刻は昭和50(1975)年3月10日ダイヤ改正時のままです。


昭和53(1978)年2月ダイヤ改正では、使用車両が「日本海1・4号」と共通運用とされました。


昭和57(1982)年11月15日ダイヤ改正で、寝台特急「日本海」が2往復とも宮原客車区での受け持ちとなりました。


そして、寝台特急「つるぎ」の客車は、24系25形のまま向日町運転所(現在のJR西日本吹田総合車両所京都支所)に移管されました。


「つるぎ」には、このダイヤ改正で廃止された季節特急6027・6028レ「明星」3・4号(新大阪〜西鹿児島)用がそのまま使われました。


しかし、向日町運転所の受け持ちとなって2年も経たない昭和59(1984)年2月ダイヤ改正で寝台特急「日本海」1往復の客車が再び青森運転所に移管されたため、「つるぎ」用の客車は再び宮原客車区に移管されました。

「つるぎ」廃止、そして新幹線へ

「つるぎ」は、大阪〜新潟間という寝台特急としては運転距離が短いながらも良い調子でした。


しかし、昭和60年代になると同じ区間の583系急行「きたぐに」や、高速バスに利用者を奪われてしまいました。


寝台特急「つるぎ」は、11両、9両、8両と編成を少しずつ短縮しつつも何とか存続してきましたが、とうとう平成6(1994)年12月3日ダイヤ改正で定期列車が廃止され臨時列車格下げされました。


「つるぎ」に使われていた24系25形は宮原客車区から向日町運転所に転属、向日町運転所からは14系15形が宮原客車区に転属してきました。


寝台特急「彗星」は、このダイヤ改正から24系25形化されています。


なお、14系15形は、臨時「つるぎ」には使われず、急行「ちくま」、同「だいせん」に使われていた14系寝台車を置換えました。


この結果、改正前まで「ちくま」、「だいせん」に使われていた14系寝台車が臨時「つるぎ」に使われることとなりました。


置換えられた14系寝台車は、急行用ということでB寝台がオリジナルの3段寝台のままでしたから、臨時とはいえ、3段寝台を用いる寝台特急が誕生する事態になってしまいました。


3段寝台を使って運転されたのは、下りが平成7(1995)年8月11〜19日・9月21〜23日・11月2〜4日、上りが同年8月12〜20日・9月22〜24日・11月3〜5日でした。


使用車両は、B寝台のみの14系寝台車6両。


時刻は、下り8005レが大阪21:50発→新潟6:42着、上り8006レが新潟22:28発→大阪6:56着となっています。


しかし、平成8(1996)年12月には臨時列車としての「つるぎ」も廃止されました。


なお、「つるぎ」の名は、平成26(2014)年末に長野〜金沢が開業予定の北陸新幹線で、富山〜金沢間のシャトルタイプ列車の名称として使われます。


18年ぶりに新幹線の列車名として復活するのです。


山陽〜九州新幹線の「さくら」、「みずほ」、東北新幹線の「はやぶさ」のように寝台特急の列車名として消滅した後、新幹線の列車名となったのです。

リバイバルトレイン「おもいでのつるぎ号」

平成21(2009)年10月〜12月に「新潟デスティネーションキャンペーン」に行われました。


このキャンペーンの一環として、同年11月27日・28日に、リバイバルトレインとして「おもいでのつるぎ号」が大阪〜新潟間で運転されました。


使用車両は定期列車廃止時と同じ24系25形客車(B寝台のみ)とEF81形でした。


下りは11月27日、上りは11月28日に運転されました。


時刻は、下り9005レが大阪22:22発→新潟7:05着、上り9006レが新潟23:12発→大阪6:45着でした。



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